まったくモテない41歳独身底辺男が流されるがままに適当に生きながらもがき足掻く日記
買ったそれぞれの銘柄が、毎日あまりにも順調にそれこそ右肩上がりに含み益を伸ばしていったため、さすがにチャートを見始めて、高値から押したところはそれぞれ利益を確定していった。
まだ株取引を始めて1週間やら10日ほどなのに、口座の残高が100万から一気に110万になっていた。

即また株を購入して回転させねばと思ったが、100万円が110万円になったところで購入できる株数はしょせんたかが知れてるし、現物株だと回転売買ができない(注)ので、このアベノミクスの大波で一気に資産を倍増させてやろうと思い、早急に信用取引を使わねばならないと思った。

先に読んだ2冊の本で信用取引のおおまかな知識を得て(さすがにコンビニ本の「初心者でもカンタン マネるだけ!」本には信用取引のことはいっさい書かれていなかった)、その早速界王拳とやらを使いたくなった。というか今使わずしていつ使うんだと思った。

この時期ネットでもテレビでもマネー雑誌でも、とにかく景気のいい話が躍っていた。
とくに2013年から株式の信用取引の取引所規則の改正により、信用取引で保証金の約3倍の資金を扱えるだけでなく、その保証金をその日のうちから銘柄も回数も無制限に繰り返し利用できるようになったということもあり、アベノミクスの大波の上でデイトレでシコシコ回転売買を繰り返し、億万長者になった人が続出した。
業界ではその人を「億り人」と呼んだ。

しかし、信用取引は証券会社の口座を開設すれば誰でも即使えるわけではなかった。別個にまた信用口座の開設を申請する必要がある。
またその際には一定額の口座残高や投資経験が問われたりする。
そこで問題になるのは投資経験であるが、ほとんどの証券会社で問われるのが最低半年~1年の投資経験があるかであった。
俺はそんなのほぼゼロに等しいし、だからといって正直に書けば落とされると思って適当に2年とか3年とか書いておいた。
そもそもそんなものはこちらの問題であるし、また嘘をついたところでバレるようなことでもないからだ。
とはいえ、証券会社によっては、申し込み内容の件で電話で問い合わせることがあるようなことが書かれてあった。

念のためいくつかの証券会社の信用口座開設の申請をしたが、結論から言うと問題なくすべての信用口座を開設することができた。
ただ1社だけ、確認の電話が掛かってきた。主に投資経験についてだが、簡単なやり取りで別段問題もなく終わった。

俺はもう現在の仕事の、こんなわけのわからない時間に起きて昼夜逆転して、長い時間拘束され休みも少なく長期休暇も取れずなんの記憶も残らない単調な日々の繰り返しにそろそろピリオドを打ちたかった。本当にもう、30代も中盤を過ぎて過ぎ去る時間のスピードたるや衰えることを知らないし、このままじゃ40どころか50歳もあっという間に過ぎ去る予感がひしひしと感じられた。
俺ももう億りたい。アベノミクスの大波に乗って億られたい。そして早期リタイヤして悠悠自適に暮らすんだ。

数日後、証券会社から信用口座開設のお知らせという件名のメールが届いた。
ネット口座を確認してみると、口座管理画面の信用新規建余力(信用取引を使った場合の最大買付可能額)は一気に330万となった。
今まで俺が生涯で扱ったことのない、見たこともない額がそこにはあった。
ついに信用取引という名のパンドラの箱を開けてしまった。
箱の中には欲望色でいびつに輝く諸刃の剣が入っていた。


(つづく)



(注)例えば、口座に100万円あり、その口座から70万ででA株を買って株価が上がったからその同じ日にA株を80万売って、再びその日のうちに今度はそのA株が50万に下がったから買おうとしても買うことができない。その日のその口座の買い付け余力としては最初にA株を70万で買った残金の30万しかない。もちろん総資産額としては110万円である。ただ、新たに20万をその口座に入金すればその日の買付余力は50万となるので、50万のA株を買うことができる。つまり現物で株を買うと、その株をその日に売ってもその資金はその日は拘束されてしまうということだ

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【2017/03/16 16:20】 | 投資
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