まったくモテない41歳独身底辺男が流されるがままに適当に生きながらもがき足掻く日記
水道橋が先頭で入店した。

この店は入り口から広い通路がまっすぐに伸びており、その通路を挟んで個室が連なっているわけだが、個室といっても完全個室ではなく、通路より一段高くなっている座敷部屋と通路を隔てるものは50cmくらいの柵しかなかった。つまり通路から各部屋は丸見えという作りだった。

ほぼ集合時刻に到着して、すでに何人もいてワイワイやっているものかと思われたが、まだ男2人しかいなかった。
少し拍子抜けしたが、しかしそこには懐かしい顔があった。
ひとりは幹事であり、彼とは学校内で接点はなかったものの数年同じ塾に通っていて面識があった。もし幹事が同じ中学出身だとはいえほとんど面識がない奴だったら今回参加していなかった可能性が高い。
もうひとりはほとんど接点がなかった。が、体育祭だか陸上競技会だかのなにかの拍子で一言二言はしゃべったかでお互い知らないというわけではなかった。
つまり会った瞬間は
「おおっ お久しぶり!」
とまあこんな具合だ。

こちらとしてはこの流れに乗ってさっさと乾杯して昔話に花を咲かせる目論見であったが、いかんせん俺を含めてまだ4人しか集まっておらず、女に関しては一人もまだ来ていない状況なので酒を注文するわけにもいかず、なんだか手持ち無沙汰な時間が10分くらい続いた。
そうこうしているうちに男が一人二人と来て、そして女もようやく二人が一緒に来た。

みんな20年振りくらいであった。女二人はそれぞれ同じクラスになったことがあり多少しゃべったことがあったが、20年振りにもかかわらず会った瞬間は「お久しぶり」と素っ気無く言われ、なんだか半年振りくらいの挨拶の仕様であった。
男二人のうち一人は知ってはいるが、中学時代会話した記憶がない。もう一人にいたっては名前も顔も思い出せなかった。

そのみんなが集まるのを待っている間、幹事が携帯で複数人とやり取りしており、気軽に会話できる相手が周りにいないので、なんとなく気詰まりした雰囲気になった。
そして幹事の携帯のやり取りの結果、どうやら何人かはこれないということになった。その中には数少ない俺としゃべれる奴がいたのでこれはけっこう痛かった。

そして集合時間から30分近く経った頃、ようやく5,6人の女どもがドヤドヤ入ってきた。
どうやら駅かなんかで一度集合してから集団で来たらしかった。
長テーブルが3つあり、部屋の入り口付近の2つのテーブルはすでに男どもと先に来た女2人で埋まっているため、その5.6人の女どもは必然的に奥のテーブル席となるため、俺らが座っているテーブルの前を1人1人通っていくことになり、俺など入り口から入ってきてほぼ真正面にあぐらかいて座っているというのに、誰ひとりとして「お久しぶり!」とか言ってくる奴などおらず、それどころかろくに目も合わせないまま真顔でそそくさと奥のテーブルを目指した。

でもまあ考えてみればこの5,6人とは当時もしゃべったことがある奴はほとんどいないし、同じクラスになった奴も1人しかいなかったので、そんなフランクに挨拶したりされたりする筋合いもないのだが。
でもこの20年振りの同級生が一同に集まるというこの空間がもう無条件に俺を愉快な気分にさせた。
中学の同級生が、途中経過を含まずいきなり20年後の姿の同級生だらけに周りがなるのだから、面白くないはずがない。
俺はたんたんと奥のテーブル席を目指す彼女らを見送りながら、ニヤけてくる顔を抑えるので必死だった。

この5.6人の女は、しゃべったこともなければ同じクラスになったこともないものの、一人を除き顔と名前は一致していた。
この誰だかわからん一人はテーブルに着くなり下品にベラベラしゃべっていたが、典型的なオバちゃん体型になりつつあることを除けばとくに特徴もなく、なので中学時代もとくに俺の記憶に残らないどうでもいい女、まあこんな奴もいたかも、くらいでそれ以上必死に思い出そうともしなかった。
卒業アルバムなんかを見ても「え、こんな奴いたの?」ってのがけっこうあるもんだし、中には今見るとけっこうかわいいのに当時なんでその存在に気づかなかったんだ俺?とか思ったりするもんだ。

先に来た男一人も、名前に聞き覚えがあるのだが、顔がまるで一致しなかった。男の場合、中学から背が急激に伸びたりして背格好も全然変わったりするので、余計わかりづらい。

この5,6人の女どもが着席して落ち着いたところで幹事が
「それじゃ、これで全員集まったみたいなのでとりあえず乾杯しますか。」
と言った。

あれ?と思った。今回の飲み会の目玉のひとつであったA子らしき姿がなかった。
Facebookでは参加になっていたのに、他のドタキャン組同様に今日は来れないのか。
幹事に聞けばドタキャン組の理由は男は仕事の都合、女は子供の都合ってのが多かった。
まあ家庭を持ち、小さい子供でもいればちょっと夜飲みに行くこともなかなかままならないのかもしれない。
実際俺の姉の小学校低学年の子供がしょっちゅう熱が出たのなんだのでよく学校を休んだりしている。

A子と会えるのを一番楽しみにしていただけにかなりがっかりしたが、しかし今まで体験したことのないこのタイムスリップされた空間によって倒錯した脳は、何か得体の知れない脳内分泌物質によって悦んでいた。


乾杯した後もちらほら数人来て、最終的には15.6人になっていた。
俺の向かいには先に来た女2人が座っていた。
そのうちの一人、俺の真向かいに座った女は「同級生からのメール①同級生からのメール②同級生からのメール③」の回のあの女であった。

(つづく)
スポンサーサイト




【2014/11/14 05:38】 | 未分類
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック