まったくモテない41歳独身底辺男が流されるがままに適当に生きながらもがき足掻く日記
彼が改札を出てこちらに向かってきた。

この駅はちょっとしたターミナル駅で、改札から一度に吐き出される人の数も多ければ改札の外のキップ売り場前などで待ち合わせ待ちをしている人の数もかなりのものである。

また彼には最近の俺の顔を知られていないため、つまり20歳の頃の俺の顔を思い浮かべながら来ているので、むこうから俺に気づいて「おお!」みたいなことにはなりづらく、まあすでに俺が彼の存在を認知してしまっているので、おのずと俺の方から声を掛けるかたちにならざるをえない。

そして彼がキョロキョロしながら接近してきたところで「おお!お久しぶり!」と声を掛けた。

俺は笑顔で声を掛けたつもりだったが、彼の反応は16年振りの反応にしては薄いように思えた。

よくある親しかった人物との再会シーンとしては、目を大きく見開いた驚き笑顔みたいな表情で「「おお!お久しぶり!」みたいなのを想像するが、俺としてはちょっと拍子抜けするほど普通の反応だった。

まあ久しぶりに会ったからといってはしゃぐような歳でもないし、親友という仲であったかというとそうでもなければ普通の友達としての付き合いがあったのかといえばそうでもなかったので、彼にしてみれば俺に16年振りに再会したところで別段満面の笑みをするほど嬉しいことでもなかったのかもしれない。

そして彼は「全然変わらないねえ」と言ってくれた。
確かに体型的には16年前とほとんど変わってはいないが、まあ社交辞令だろう。
彼はそういうところ、大人社会の会話術みたいなものをなぜか中学時代から体得していた。

俺も「キミも変わらないねえ」と返したいところだが、日村に変わり果てた姿を目の前にして「キミも変わらないねえ」などと言うのは白々し過ぎるし、「キミも雰囲気は変わらないね」とか言えばよかったのかもしれないがあまりにも変わり果ててしまっていたため、なにを言っても焼け石に水というか、むしろそこをツッコまなくては逆に失礼なんじゃないかとまで思い、結局そのまま「キミは変わったねw」と言ってしまった。

彼もそんなことは言われ慣れているらしく、「10何年も経てば変わるさ」とさらりと言っていたが、俺が驚いたのはその容姿だけではなく、声までもかなり変わっていた。

中学以来なら声が変わっていてもそう不思議には思わないが、男の場合、20歳の頃の声が30代半ばくらいでそんなに変わるとは思えないし、他の友人なんかの声を聴いてもそれほど変わったという感じはない。

でも彼はまるで別人じゃないかというくらい声が変わっており(おそらく太ったからだと思われる)、体型も別人になっており、顔は老けて太ればそれだけでだいぶ変わるわけで、トータル的に見ればやはり別人であり、昔の俺のことをなぜか知っている見知らぬオッサンがそこにいる、という感じであった。

しかしスタンスがどうのと面倒なことを考えていたが、容姿は違えど会ってみれば結局自動的に中学時代のスタンスのままになってしまうのだなあ、と思った。

出会ってから店に行くまでの間、たわいもない話をしながら向かうわけだが、こう話していればなるほどやはり奴なのであるが、その別人の声を聞きながら奴の姿を見ると俺の知っている奴ではなく、なにか倒錯的な感覚に陥った。

彼の馴染みの店に着く。ビールと適当なつまみを注文し、乾杯する。
そして彼はすかさず名刺を出してきた。
名刺には俺の知っているそのチェーン店の名前と彼の名前、そしてそこには「人事課 〇長」と書かれていた。

同級生の友達を介して、数年前から彼はこのチェーン店の店長をやっているというのは知っていたが、どうやら何店舗か店長を歴任した末、人事課の中間管理職になったらしかった。

俺も名刺を持っていれば出したいところだが、トラック運転手なのでそんなものはない。
「ああどうも、俺は持ってないけど」と言った。
「ああ、いいよ」と彼が言う。
そしてその流れのまま、「今どんな仕事してるの?」という当然の流れになった。
「〇〇関係の仕事をしているよ」と言った。トラックの運転手をしているとは言わなかった。
あとは大学時代の話をチョロっとして、その後のほとんどは中学時代の思い出話となった。

その店で飲んだあとさらにもう1軒行き、彼は酒呑みであり俺もそこそこ強い方だと思っていたが彼には負けた。
飲むスピード、ペースがかなり早く、2軒目に着いた時点で俺はもうとっくに出来上がっており、しかしここで飲まないわけにはいかず、久々に酔い醒ましのウーロン茶を挟みつつもこの店で酒を2,3杯飲んだ。
帰りはもうベロンベロンだった。

しかしまあ、案外けっこう疲れた。
同級生とはいえそんなに仲が良かったわけでもなく、つまりお互いなにかで合致するようなところがあったわけではないので、それほど話すこともなく、かといって16年振りとかで会って早々にネタ切れとかいうわけにもいかないので、次なにをしゃべろう、どの話題を振ろうかと、常にプレッシャーを感じながら俺なりに気を遣いながら飲んでいた。

意外に彼があまりしゃべってこないので、多くは俺が話題を振るというかたちになった。
彼は彼で俺にどんな話をしたらいいのかと、顔には出ないが戸惑っていたのかもしれない。
まあどこか得体の知れないこんな俺だし、それはそれでしょうがないのだろう。

でもこの日の出来事はなかなか面白く、ちょっと不思議な体験だった。
知人と16年振りに再会して飲むなど今までに経験したことがないので、その最初に会ったときの違和感というか、倒錯的な感覚というのがその後2,3日続いた。
中学時代の3年間ほぼ毎日といっていいくらい顔を見てきた彼の姿をインプットした脳は、その16年も後のたかだか数時間の彼の姿を容認・変換することは容易ではないらしく、この日駅で彼に会ってから飲んで別れるまでを思い出そうとすると、そこにいるのは若かりし頃の彼であり、再生される声もやはり当時の彼の声であった。


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【2013/01/12 04:40】 | 日常
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記事かいてください!いつも楽しみに読んでいます



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文章がうまいですね


べろんちょ
おもしろいですね!

僕も最近ナンパしてみたいと思っているのですが酒に酔わないとできません。
孤独地獄男さんは何人も声かけててすごいです。


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facebookを始めて間もなく中学時代に同じ部活だった奴を見つけたのでこちらからメールを送って繋がり、彼とは高校は別々で中学卒業以来ほとんど会う機会もなく、最後にたまたま駅かなんかで会ったのが20歳の時だから実に16年振りになるが、今度近いうちに飲みましょうってことになった。

こいつがどういう奴かというと、まずイケメンとか女垂らしとかチャラいとか路上ナンパをするような奴ではない。かといってオタクとか暗い奴でもなく、暗いか明るいかでいえば明るい方に分類され、かといってひょうきん者とかお調子者とかそういうタイプでもなく、中学時代から容姿と考え方、しゃべり方がどことなく老けており、でも男女関係なく分け隔てなくよくしゃべり、それでいて憎めないような性格・容姿からか多くの女が警戒しない感じで彼とは気さくな関係であることが多く(かといって決してモテてた感じはなかったが)、またコミュニケーション能力はこちらも中学時代から老けていた(若者言葉などほとんど使わない)、言い換えれば大人びていた、長けていたともいえる。

彼は俺とは違い中学時代の性格・人格通り、堅実にこれまでの人生を歩み、俺よりいい高校へ行き、俺よりいい大学に行き、浪人や留年などすることなくある中小チェーン店に入社し、そのままそこで10年以上働いて現在に至る。

彼は現在も地元に住んでいた。地元といっても今俺が住んでいるところからそう遠いところではないので、その中間あたりで待ち合わせて飲むことになった。


その当日。16年振りということで若干緊張していた。
彼は当時どちらかといえば痩せ型の方だったと思うが、噂によれば現在は当時の面影もないほどに太っており、俺もfacebookで彼の写真を見たがまあよく肥えていた。
顔や髪型はそう変化はなかった。

なにを話そうかと思った。16年振りであるうえに、当時特別仲が良かったという関係でもなかった。
ただ部活が同じであり、クラスも同じになったことがあったりと彼と顔を会わす機会が多くおのずと話す機会もそれなりにあったという関係だった。

当然今どんな仕事をやっているのかという話にはなるし、あとは同級生の共通点である当時の思い出話や共通の同級生の話題などでなんとか繋いでいけるだろう。

こういう場合、多くの人はお互いの仕事の話なんかでひと盛り上がりできるのだろうが、トラックの運転手では話の盛り上げようがない。というより言いたくない。こういうところで俺という人間は嫌な奴だなあとつくづく思う。人間性でいえば間違いなく下層部だ。
まあそれは置いておいて、とにかく会うことになった。

梅雨入り直前のちょっと蒸し暑い日だった。待ち合わせ場所に俺が先に着き数分遅れていくつかある改札に吸い込まれてくる群集の中に彼を見つけた。

若干衝撃を受けた。彼は想像以上に肥えており、また中年化していた。
ベフォーアフターの度合いで言えば、バナナマンの日村やTKOの木下くらい(彼らも若かりし頃は痩せていた)の落差があった。

こうして待ち合わせていなければ俺からはまず気づくことがなかっただろう。
普通のメタボのオッサンがそこに存在するとしか思わない。
ちょっと出鼻をくじかれたというか、どう対応していいものかと逡巡してしまった。

俺は外見は他人から見れば立派に30代半ばであるのに、多くの長年のニート生活者がそうであるように中身が伴っていなくて、あるいはコミュニケーション能力も歳相応の大人に成りきれておらず、それらは自分でも重々承知していながら歳を重ねようとも成長できず、つまりはオッサンになったオッサンになったとグチっておきながら肝心の中身は全然オッサンになりきれておらず、とどのつまりは精神年齢が低く、自分では20代中盤あたりくらいなんじゃないかなあと思っている。

そんな俺が、奴は確かにあの同級生なのだとわかってはいても、実際目の前にいるのは恰幅のいい立派な中年のオヤジであり、その対応として中学時代のままいったらいいものかそもそも中学時代どんな接し方だったのか、いやそれじゃあまりにも大人気ない、もしくは失敬にあたるからもっと大人な振る舞いでいったらいいのか、しかし最初そういう関係から始めるとどこかぎこちなくなって、そこからフランクな関係にもっていくのがしんどいのではないか・・・など、彼が群集に混ざって改札を出て俺の存在に気づくまでの間に、彼に対する俺のスタンスをどのあたりにもっていってやったらいいのか早急に確立しておかなければならなかった。

(つづく)



【2013/01/06 18:17】 | 日常
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facebookを登録してから数日後、あの女から友達申請があった。
以前このブログで書いた「同級生からのメール1」「同級生からのメール2」「同級生からのメール3」の女だ。

そういえば某SNSにて彼女とやり取りしているときにfacebookがなんたらかたらと言っていたのを思い出した。
俺はその頃facebookなんかに興味がなくほとんどスルーして聞いていたが。

申請を受けようか迷ったが、しかしこの時点で数人の中学校時代の同級生と友達になっており、それに申請してきた同級生を拒否などすると後々厄介なことになりそうなのでその申請を受けた。

でさっそく彼女のページに行ってみて若干ショックを受けた。
独身だと思っていたのにとうに結婚しておりさらに2歳くらいの子供までいやがる。
そしてさらに俺がfacebookに登録した1週間前に2人目を出産していやがった。

某SNSにて数回におよぶメールのやり取りの中で、結婚やら旦那やら子供という言葉が一切出てこなかったのでてっきり独身だと思っていた。

俺から「結婚したの?子供は?」みたいな質問は、もし相手が独身であったなら年齢も年齢だし失礼にあたるかなと思ってしていなかったのだが、しかしお互い今どこに住んでるの?みたいな話題にはなってたわけで、そのとき「結婚して〇〇に住んでいるよ」とかそういう流れになりそうなものだが。

さらには前回の彼女の飲み会のドタキャンの理由として、「家族が入院して」と言っていたが、これは今考えるとおそらく旦那か子供だと思うのだが、なら「旦那」あるいは「子供」と言えばいいじゃないか。
そこでなぜ「家族」などと遠まわしな、紛らわしく曖昧な表現を使うのか。

そしてなによりも彼女には旦那がおり子供がおり、さらには10月10日を逆算すれば俺とメールのやり取りをしていたちょうどその時期に種付けに励んでいた計算になる。

しかしたとえ相手が懐かしの同級生とはいえ(しかもほとんど会話したこと無し)、旦那と子供がある身で飲もうとか言うか普通?

てか旦那子供がいることを知っていればまず俺がそんな女と飲まないわ、動物的にも道徳的にも。たとえ同級生なり幼馴染みだとしても。いや道徳的とかそういう堅苦しいことを抜きにしてもそういうのは自分が惨めに思えてしまうと同時に気色悪いわ。
気色悪いってのは、俺がガキの頃もしオカンが他の知らない男と二人きりで店で飲んでいたらとか、30代も半ばの熟女に近い女が、普段は旦那と子供のいるほとんど女気が失われた所帯染みた生活をしているのに、旦那以外の男と飲むということで旦那と子供のことを忘れて甲斐甲斐しくもおめかしをして、さらには女を匂わせて来たりとか、そういうことだ。

いくら同級生とはいえ、夫子供がいる女と二人きりでなんて飲みたくないわ、どんな理由であれ、アホか。

・・・いやしかし今になっていろいろ考えてみると、向こうは端っから俺と二人きりで飲もうなんて考えておらず、これを起点として同級生数人で飲み会という形にしたかったのかも、そしてどうやら雲行きが二人っきりってことになりそうなのでドタキャン、だったのかな、とかも思ったりする。

それと俺がfacebookをはじめてから以降で彼女の旦那が体調不良で少しのあいだ入院してたという記事があったので、あのときももしかしたら旦那が入院していたのかもしれない。
それにしても誘っておいて前日の夜まで音信普通はないよなあ・・・

まあとにかくその真相というか、まあとくにどうでもいいのだが、彼女になにかのついでに会ってひとこと言ってやりたいという気がないではない。

でもまあ言ったところで、「ごめーん、だって〇〇だったんだも~ん」とか笑顔で言われて軽くあしらわれ、「ああそっか~、じゃあしょうがないねー、ハハハ、いやいいんだよ別に気にしてたわけじゃないからさぁ~」とか俺言っちゃうんだろうなあ。落としどころなんてもともとないからな、こんなの。

実はこの冬、facebookでつながった同級生でオフ会をやることになっているのだが、しかしそこに彼女の参加表明がないんだよな。さらにもう一匹身篭ってる最中なのか?
まあしかしどうでもいい女とはいえ、腑に落ちない部分もあるかと思うのでメールにて参加をけしかけてみようかと思う。そして決着をつけたい。

その後の展開については、まただいぶ後になってしまうかもしれないが追ってレポしたいと思う。



【2013/01/03 20:22】 | 日常
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